新年の行事の中で、なんとなく忘れてしまいがちなのが七草粥です。わたし自身、ばたばたと忙しくしているうちに完全に忘れてしまうパターンがよくあります。
一人暮らしの方だと同じような方は多いのではないでしょうか。

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七草がゆの意味と伝統

そもそもまず日付がいけない。
1月7日というと、まず仕事はじめ直後ですから、仕事や求職活動をしているのであれば、それこそ大忙しな時期です。そこで一人暮らしだと、完全にそっちに意識が行ってしまって、七草粥のことなんて頭から飛んでいってしまうんです。

とはいえ、正月の初もうでほどハッキリしたイベントではないものの、七草がゆと言えば一年のあたまに無病息災を祈る、言ってみれば縁起物です。正月の贅沢な食事で疲れた胃を休めるといった意味もあるものの、やはり本質は願掛け的な側面が強いのは事実でしょう。

入れる七草にしても意味がそれぞれにあります。一般的に七草というと

芹(せり)、薺(なずな) 、御形(ごぎょう) 、繁縷(はこべら) 、仏の座(ほとけのざ) 、鈴菜(すずな) 、清白(すずしろ)

の7種類。起源から仏教的な縁起を担いだものが多いですが、現世的な意味合いが強いものとしてはセリには「競り勝つ」、ハコベラには「繁栄がはびこる」といった意味合いが与えられています。

少々こじつけ…というか駄洒落的な印象はぬぐえませんが、縁起物ってそもそもそういう面がありますから。古代の若菜摘みにはじまり、なんだかんだで江戸時代にはすでに幕府の公式行事になっていた行事だけに、伝統としての重みも十分にあります。

七草がゆの日付は本当に1月7日なのか…縁起物としての意味

それだけに、たとえ遅れてしまったとはいっても、できれば食べておきたいもの。確かにおまじない的な意味合いから言えば7日に食べるのがベストではあるでしょうが、そもそも少し前まで日本は旧暦だったわけですし、奈良時代までさかのぼればそもそも正月15日に食べていた説もありますから、あまり日付にとらわれ過ぎてもかえって意味がないでしょう。

なにより、縁起物というのは、それ自体何となくその気になれるという効果が大きいです。気分の問題と言ってしまえばそこまでですが、バカにしたものではありません。形から入るだけでも、気の引き締まり方やテンションがかなり変わってきます。

また、縁起物云々は置いておいたとしても、七草自体が身体にいいものですし、普段と違う食べ物を食べるというのはそれだけでも刺激になります。毎日同じようなものを食べていると、マンネリ化して活力も出なくなるという説もあります。
ですから、日こそ遅れてしまったとしても、思い立ったなら今からでも食べておくといいのではないでしょうか。

手っ取り早く済ませるならインスタント品を活用

さて、そんな七草粥ですが、材料を揃えたり、味付けがいまいちパッとしないなどの点で微妙な印象を持つ方も多いでしょう。そうした方の場合、インスタント品を使うという手があります。

このジャンルで強いのが、広島県に本拠を置くこだま食品さん。各季節ごとの干し野菜やショウガパウダーなど、乾燥野菜を全般に扱うメーカーですが、七草粥関係に関しても、多数のバリエーションを揃えています。

七草のフリーズドライ品をはじめ、カップ入りの七草粥、お湯を注ぐだけの玄米七草粥など手軽に済ますなら、チェックしてみる価値はあるでしょう。究極的な商品としては、七草を使ったお茶漬けなんてものまであります。正直ここまでお手軽だとあまり縁起物って感じがしませんが、これなら、慌てて後から食べる場合でも、手間を感じずに済むはず。むしろ正月だけと言わず、日常でも使えそうですね。

なお、本記事の趣旨とはズレますが、単に面倒くさくて7日を逃してしまうという方の場合、当日にいっそお出かけイベントとして組み込んでしまうという手もあります。具体的には神社仏閣や飲食店で振る舞われる七草がゆをいただきに行く。代表的なのは東京都心であれば浅草の鳶神社などがあります。また、各地の飲食店でも、7日限定で七草粥を出している店は少なくありません。

レシピも自由自在。堅苦しくない七草がゆを楽しもう

ところで、七草粥というと、決まったレシピがあるように思いがちです。
主に家庭で食べるために、各家庭で作り方が固定していることが多いのが理由でしょう。

ところが、実際には、七草粥にはあまりこれ!というようなつくり方が厳密に決まっているわけではありません。そもそもこの時期にいわゆる七草が手に入らない地方もありますから、全国的に作り方を固定するのは不可能なのです。

そこで、地方によっては七草のセレクトはバラバラということになります。
また、それ以前に各家庭でアレンジしてしまうことも多く、ノーマルなおかゆから、各種和風味、リゾット風など、好みでアレンジしてしまう家も多いようです。私自身は、数年前に近所の中華料理屋で出していた中華風七草粥がかなりおいしかったのを覚えています。

そんな感じで、七草粥は決して堅苦しいものではありません。いろんな自己流のアレンジが可能と思えば、敷居もかなり下がるのではないでしょうか。
一度病気になると、無病息災がどんなにありがたいものか痛感します。健康祈願と普段とは違う刺激という二重の意味でおいしい七草粥、遅ればせながら食べておきませんか?

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