こと受験向けの英語学習で
欠かせないアイテムの一つが英単語帳です。
単純暗記は無意味だとか色々言われることも多いですが、
受験に限って言えば、
最初のステップとして効率がいいのは事実。
最低限の語彙力はないと、そもそも次のステップに行けないからです。
さて、英単語の暗記というのは相当労力を使うものですが、
そうはいっても繰り返しやっていれば
普通は少しずつでも頭に入ってくるものです。
ところが、たまになかなか覚えられない、
もしくは、覚えられてもペースが極端に遅いというケースがあります。
もちろんいろんな理由は考えられるのですが、
その可能性の一つに、
「そもそも英単語帳の出来が悪い」
というものがあります。
今回は、暗記のテクニックなどはさておき、
この重大問題について述べていきます。
英単語帳が悪いとなると、
最初の相棒選びで間違っているようなものですから。
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「出来が悪い」英単語帳とはどのようなものなのか
単語帳の出来が悪い、とはいいましたが、
これはどういうことなのか。
まず、誤植などがあるというのは問題外ですが、
そういう話ではありません。
また、各単語帳ごとの構成の問題でもない。
昨今の単語帳は過当競争もいいところですから、
一部の昔ながらのものを除けば
覚えやすいようにそれぞれに趣向が凝らされています。
例えば語源に重きを置いたり、例文の充実を図ったり。
ですが、そもそも英単語帳や述語集というのは
それ単体で完全に使いこなせるようになるといった
性質のものではありません。
最終的には長文をしっかり読んだりすることで、
はじめて頭にしっくりとなじむわけです。
だから、単語の暗記の時点では、
そんなに高度なテクニックを使おうにも、
使う余地がない。
結局は繰り返すしか方法はないんですから、
こういう部分ではそれほど単語帳ごとの差は出ません。
なにより、こうした工夫というのは
見ればすぐわかりますから、
好みに合うものを使えばいいというだけです。
では何の問題なのか。
前置きが長くなりましたが、
ここで言いたいのは「訳の仕方」です。
レベルの高すぎる日本語訳は頭に入ってこない
一般的な単語帳は、
概ね左に英単語、右にそれぞれの日本語訳が
リスト状にずらずらと並んでいます。
多少の差はあれ、
これはわたしの知る限り、
ほとんどの単語帳で共通していることですが、
問題はこの右側の日本語訳。
普通に訳せばいいものを、
異常に回りくどかったり、
難しい言い回しにしている単語帳があるんです。
たとえばですが、
単に「難しい」と言えばいいものを「困難極まる」としたり、
「豊富な」が「潤沢にある」だったり…
もちろん、言語ですから、
似たような意味の単語でも
微妙なニュアンスの違いというのはあります。
おそらくは、そうした部分まで
反映させようとしたのでしょう。
そうした著者の方の意図はわからないでもありません。
ですが、そうした細かいことは、
まず基本的なラインを覚えられてからでも
十分間に合う話。
そもそも英単語の学習段階というのは、
ニュアンスまで覚える余裕はないはずです。
とにかく基本の意味をざっと頭にいれて、
とりあえずいろんな問題にスムーズに当たれるようにするのが、
英単語帳というカテゴリの参考書の役割なのです。
ですが、そこで日本語がこんな調子では、
その基本的な暗記さえ困難でしょう。
英単語がどうこういう以前に、
日本語訳が頭に思い浮かばないはずです。
そんな単語が、ずらずらっと並んでいたら…
かえって混乱をきたすのは火を見るより明らかでしょう。
そして、残念ながら、
ベストセラーと言われるものでさえ、
こうした単語帳は散見されるのが現実です。
英単語帳購入前に見るべきポイント
見るべきは英単語ではなく日本語
ただ、こうした部分は、感じ方に個人差が大きいのも事実。
結局、感覚的にしっくりくるかどうかだからです。
たとえば、日頃から難しめの単語に触れることに慣れている人と、
そうでない人では、
いくら日本語とは言え
頭になじみやすい単語のレベルがかなり違うはずです。
ではどうするかというと、
事前に品定めをするしかありません。
英単語集を買う前に、
これと思ったものの英単語の日本語の訳だけを、
あたまからざっと見ていくのです。
もちろん、ここでは英単語と関連付けたりする必要はありませんし、
ましてや覚える必要はありません
(それができるなら英単語帳自体いらないはずです)。
ただ、その訳が、自分にとってすっと馴染み、わかりやすいか。
ただそれだけを見ていきます。
冗談のように聞こえるかもしれませんが、
これだけでも英単語の覚えやすさやスピードは
天と地ほど違ってきます。
惑わされるくらいなら細かい情報は切り捨てろ
補足ながら、先ほどあまり関係ないといった
各参考書ごとの工夫、
つまり例文の掲載や語源・類語の同時掲載などの部分についても
一応述べておきます。
こうした要素があまり関係がないといった理由は、
実際に暗記していると、
こうした部分にまで気が回る人は少ないからです。
が、たまに、こうした要素が目に入ることで、
かえってペースが落ちたり、混乱をきたす人もいます。
そうした人は、敢えてシンプルな構成の単語帳に
変えてみるのも一つの方法です。
もちろん、こうした細かい情報というのは、
使いこなせるならそれに越したことはありません。
ですが、繰り返し言っているように、
英単語帳の目的というのは、
単語の基本的な意味合いを抑えること、
それにつきます。
逆に言えば、それがやりづらいなら、
いくら細かい情報が入ってきたところでノイズにしかなりません。
それなら、細かい情報は最初から切り捨てた方がむしろいい。
心配しなくても、実際に問題に当たるようになれば、
こうした細かい話は嫌でも身についてくるものです。
まとめ
ということで、英単語帳自体の問題について述べてきました。
英単語帳というのは、
どんなに凝ったものであろうが、
できる限り短期間で卒業すべきものです。
暗記自体が苦しいのは仕方ない。
けれど、それに割く労力は限定するべきです。
今、十分に努力しているにも関わらず、
それがうまくいっていないようなら、
このタイミングで使っている英単語帳を見直してみてはいかがでしょうか。
出費は確かに増えてしまうかもしれませんが、
試験までに残った時間のことを考えたら、
決して無駄なお金にはならないはずです。
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