こんにちは、雪月堂です。

ここ10年ほどで一気にメジャーになったテクノポップですが、
その最大の功労者は(賛否はあるでしょうが)やはりPerfumeでしょう。
「アイドルなのに本格テクノポップ」という立ち位置は、
アイドルファン、クラブ系双方はもちろん、それ以上に幅広い層へアピールするものでした。

また、技術的にはかなりマニアックなことをやっていながら、
メロディなど、直接的に目立つ部分においてはあくまでもポップさを貫き通しているために、
一般層にもなじみやすいというのは大きいです。さらに、メンバーのキャラクター性と対応力の高さも大きい。あらゆる意味で、本来とっつきにくかったジャンルへの抵抗感を取り去るには十分でした。

後続のアーティストも次々出てきたこともあって、
テクノポップはマニアしか聞かないジャンルではなく、
普通に売れうる一ジャンルとして認識されたといえるでしょう。

 

さて、Perfumeやそれに続いたアーティストたちの音楽と言うのは、多くの作品は踊れる音楽です。
このため、「テクノポップ=踊れる音楽」と認識されていることが多いのですが、
そこからさらに「テクノ=踊れる音楽」と思われる傾向があります。

ところが、実際のところ「テクノ」と一言にいっても、
それは非常にたくさんの「テクノ系ジャンル」をまとめた、いわば「大ジャンル」とでも言うべき単語です。
その下には、あまり知られていない「小ジャンル」がゴロゴロしているのです。

これら小さいジャンルは、基本的にはイメージ通り、ダンスを前提にしたものが多いのですが、
中には躍らせることを完全に放棄したジャンルもあります。
代表的なのが「アンビエント」と呼ばれる一群で、
これらは基本的に室内でのパーソナルリスニングを前提としています。
目的も、躍らせることではなく、あくまでものんびりと聴き、音自体を楽しむことに特化しています。

もっとも、アーティストや曲ごとに作風の幅は非常に大きいですし、
実験音楽的な要素も大きいため、必ずしも聴いてゆったりした気分になるわけではありません。
単純に癒される作品ばかりというわけにはいかないので、それ「だけ」を求めて聴くにはちょっと不向きかもしれません。
ただ、その代わり、音へのこだわり方が偏執的といってもいい部類に入るジャンルな分、趣味さえ合えば一般的なヒーリングミュージックをはるかに凌ぐほどのリラックス性を発揮してくれる作品も多いです。
そのため、音楽で癒しを得たいという場合には、無視できないジャンルといえるでしょう。

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