昔からなんだけれど、わたしはインディーズ系のそういう音楽に目がない。
売れ線を完全に無視した、好き放題やりましたというノリがたまらない。
もちろんいくらインディーズでも売れるに越したことはない。
それに、実際裏では色々思惑や戦略もあるんだろうとは思う。
ただ、それを差っ引いても、メジャーレーベルではとても出せないような代物がゴロゴロしているのは事実だ。
それを探すのは宝探しに近いものがある。
今でいうと、同人系の音楽などもそれに含まれる部分があるけれど、2000年代に入ってからこういった世界をブームにまで持ち上げたという点で、初音ミクに代表されるボーカロイドの存在は大きい。
ボーカロイドというとイメージ的にどうしても少しアニメノリのポップスを連想してしまう方が多いと思う。
けれど、実際色々漁ってみると、想像以上にいろんなジャンルが揃っている。
ポップスは当然として、比較的著名な作者に限ってもスクリーモなどロック系の中でも相当コアな奴だったりとかがゴロゴロしている。
それぞれの作者にしてみれば、自分の嗜好を全開にしても、商業ではないのでなにも問題はない。
もちろん、創作ゆえの苦労はあっただろうし、売れればいいなあとは思っていただろう。
それでも、どちらかというと「こういうの好きなんだよ」といった、音楽好き特有の、人様に自分の好きなジャンルを知らしめたいという欲求がはっきり感じ取れる作品が多いように思う。
ボーカロイドという部分でイメージこそ異なるけれど、これって本来のインディーズの立ち位置そのものなんだよね。
そんな思い入れのこもった曲を作者自らガンガン提供してくれるわけで、インディーズ好きのリスナーからすれば、これほどうれしいこともない。
当時はわたしも、それこそ聞き漁るというのがぴったりな感じで探しまくった。
そんな中でも個人的に好きな作者さんの一人が「NIYMORIY」さん。
SF映画を彷彿とさせるサイバー感が特徴で、クールな作風が好きな方にはたまらないはずだ。
逆に、日本的な湿り気だとか臭みとかはないため、その点では冷たいし、いわゆるキメのサビなどもない。
そういう意味では、よくも悪くも日本人離れした音楽と言えるし、万人受けはまずしないだろう。
ただ、それだけにヘッドホンで聞くと部屋の空気を一瞬で塗り替えてくれる。
作品の一つ、「Your 100%」(リンク先:作者投稿の公式動画)はまさにその一つの到達点と言える出来。
特にエレクトリカなどのジャンルが好きなら、一度は視聴してみて欲しい。
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